貧乏の話
東京 新宿のライブハウス・グラムシュタインのMazaharuです。
「稼ぐに追いつく貧乏なし」という諺は
映画「男はつらいよ」で寅さんが口にする言葉の一つですが
元は浅野總(総)一郎さん(浅野財閥を一代で築いた実業家)の言葉だそうです。
これは「いつも一生懸命働いていれば貧乏に苦しむことはない」という意味です。
ややデリケートなお話になりますが、誤解を恐れずに書きますと
(返済が不可能に近い、多額の借金を作ってしまった方やそのような家庭で育った場合はそこから抜け出すことは簡単ではないかもしれませんが、そうではない環境にある場合)
この国で生活ができないということはあまりないのではないかと思っています。
自分は10代から売れないバンドマンを続けていましたので
何度かお金に困った時がありました。
30歳頃にガスが無い部屋に住んでおり
真冬になると毎朝の洗顔が辛いので
カセットコンロを買って、やかんにお湯を沸かして洗面器で洗顔をし
また、洗い物をすると手が冷たくて痛くなるので
やはりカセットコンロの火に時折、手を当てつつ洗っていました(笑)。
また35歳頃に失業し、日払いでの仕事で食い繋いでいる頃がありました。
タイミング悪く、失業する直前に知人に貸した多額のお金を踏み倒され(笑)
「マジでピンチかも」と思って、全ての食材をドン・キホーテはじめ、クレジットカードが使えるスーパーのみで仕入れて、支払いを1~2ヶ月遅れにさせてカードの引き落とし日までに稼ぐ
というサイクルに陥っていました。
交通費が出なかったので、電車賃もままならない為
勤務中に外食をすることはもちろんできず
最初は白飯だけのお弁当を持って行っており
ほんの少しだけ余裕が出てきたので
ふりかけを買ってふりかけご飯にできたことに感動し
その後、夏がやってきて、ご飯が腐りそうだったので
やむを得ず梅干しを買ったことで日の丸弁当になり、更なるステップアップに感動しました(笑)
今振り返ると、ちょっとした笑い話ですが、当時は深刻な問題でした。
でもその話を当時、何人かの友人に話したところ(もちろん物乞いで話したわけではなく)
「料理してきたので温めて食べてね」とか
「実家から缶詰めセット(→けっこう大量!)を送ってもらうように頼んだ」とか
「昔、毎日、街頭アンケートに答えてた時に集めたビール券とお米券(なんと50枚程度!)です」とか
数ヶ月分の食費に充てることができ、皆さんに助けられたことにも感動しました。
幸い現在は来月の生活の心配をすることはありませんが
そのような日がまた訪れたとしても心の準備はできています。
借金を背負う前に未来を見据えて動く
「いつも一生懸命働いていれば貧乏に苦しむことはない」という心構えは
あの当時、形成されたのだろうと思います。
そして当時から今も変わらず思うことは
「(貧しい時でも)自分には常に音楽が横に居たので、心は誰よりも豊かだった」
ということです。
音楽に限らず、自分が好きだと思えるものには皆さんに追及して頂きたいですし
もし好きだと思えるものが無い人には沢山のものに触れて、それを見つけて頂きたいと思います。
「好きだと思えるに追いつく心の貧乏なし」
ライブハウス「新宿グラムシュタイン」
住所:東京都新宿区大久保 2-6-10
電話:03-6380-2517